近年、「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」という言葉によって、障がいのある方の作品や表現が国内外で注目を集めており、作品やその作り手が紹介される機会が多くなっています。
しかし、「障がいがある」「ない」というのはだれがどのように境界を引いているのでしょうか?「マイノリティ」と「マジョリティ」の境界は?それらの境界線に問いを投げかけたパフォーマンス公演「東京境界線紀行『ななつの大罪』」を行ったマイノリマジョリテ・トラベルの樅山智子氏と長津結一郎氏、公演の創作プロセスをカメラで追いかけ、その意味を今一度問い直すドキュメンタリー映画の監督をした佐々木誠氏をお迎えし、高知からはアーティストの川鍋達氏にご登壇いただき、映画の上映会とトークイベントを開催いたします。
現代の日本における社会の課題について、また、社会包摂、多様性と調和、共生社会・・・それらを共に考えてみませんか。
プログラム
第1部 13:30-15:00
13:30/挨拶(5分)
13:35-13:58/『マイノリティとセックスに関する2、3の事例』上映(23分)
14:00-14:45/『INNERVISION』上映(45分)
14:45-15:00 /佐々木誠監督 解説&トーク(15分)
15:00-15:15/休憩(15分)
第2部 15:15-16:35
15:15-15:30/『記憶との対話〜マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証〜』の背景について(15分)
15:30-16:35/『記憶との対話〜マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証〜』上映(62分)
16:35-16:50/ 休憩(15分)
第3部 16:50-18:00
16:50-17:50 /トーク(佐々木誠、樅山智子、長津結一郎、川鍋達)(60分)
17:50-18:00 /Q&A(10分)
18:00 終了
※19:00頃から自由参加の懇親会を下記にて開催予定です。
会場/土佐バル(ミュージアム隣)
参加費/5,000円
参加をご希望される方は必ず5日前までにお申込みください。
会 場 藁工ミュージアム 展示室
定 員 40名
参加料 500円(途中入場退出可、コーヒー付)
主 催 藁工ミュージアム
申込先 藁工ミュージアム(担当:松本)
088-879-6800(10:00-18:00、火曜休館)
info@warakoh.com
※駐車場は隣接施設との共用駐車場です。「蛸蔵」での演劇公演のため、お停めいただける台数が非常に少なくなっており、駐車場が満車になることが考えられます。できるだけ公共交通機関をご利用の上お越しください。
ゲスト
佐々木誠 (映画『記憶との対話~マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証~』監督)
1975年生まれ。高校卒業後、あがた森魚監督などの映画作品にスタッフ・役者として多数参加、同時期に桜井鉄太郎プロデュース「Yipes!」など数本のシナリオを執筆。98年よりソニーミュージック・エンタテインメントにて数多くのアーティスト・プロモーション用映像を演出する。現在、フリーディレクターとして音楽PVの他にVP、TV番組などの演出、構成執筆など。06年、初監督ドキュメンタリー映画『Fragment』がロードショー公開され、アメリカ、ドイツなど海外上映も含め3年以上のロングランとなる。その後、オムニバス映画「裸over8」の内の一本『マイノリティとセックスに関する2、3の事例』(07)、『INNERVISION』(13)が国内外で公開。15年『マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画』が公開。他に、ハリウッドで制作された『バイオハザード5』(09)ビハインド・ザ・シーン演出、フジテレビで放送されたNONFIX『バリアフリーコミュニケーション 僕たちはセックスしないの!?できないの!?』(14)演出、紀里谷和明監督『GOEMON』(08) 夏帆主演『パズル』(14)等の脚本執筆など。またアメリカ、南カルフォルニア大学他2校(UCSB、UC Riverside)での上映・講演、慶応大学・法政大学での講義、和田誠やロバート・ハリスらと定期的に映画についてのトークイベントなども行っている。
樅山智子 (作曲家、マイノリマジョリテ・トラベル主宰)
福井生まれ、ニューヨーク/カリフォルニア育ち、東京在住の作曲家。スタンフォード大学にて作曲と文化心理学を二重専攻し卒業。文化庁新進芸術家派遣制度研修員としてオランダ王立ハーグ音楽院作曲科留学。世界各国でサイト・スペシフィックなプロジェクトを展開し、社会的マイノリティのコミュニティや異分野の専門家等との恊働を通して、同時代的かつ民俗的であるからこそ現代社会に対するコメンタリーとなりうる音楽を探求。背景の異なる人々を巻き込んだ〈旅〉をデザインし、人と環境との対話を媒介することで、共同体に属する音楽を紡ぎ出し、アイデンティティの問題を掘り下げている。コンサート音楽からラジオ作品、インタラクティブな空間インスタレーション、儀式パフォーマンスまで、表現メディアは多岐にわたる。近年では、さいたまトリエンナーレ2016(埼玉)、両国アートフェスティバル2015(東京)、アジア作曲家連盟フェスティバル2015(フィリピン)、LA国際新音楽祭2015(アメリカ)、ウンヤジ電子音楽祭2014(南アフリカ)、アースアートプロジェクト2014(インド)などで作品を発表。マイノリマジョリテ・トラベル主宰、日本相撲聞芸術作曲家協議会理事、アート・トランスレーターズ・コレクティブ創立メンバー。
長津結一郎 (マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会事務局)
九州大学大学院芸術工学研究院助教、九州大学大学院芸術工学研究院附属ソーシャルアートラボ・コアメンバー。
東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学分野芸術環境創造専攻博士後期課程修了。博士(学術・東京藝術大学)。障害者の表現活動をはじめとした、社会包摂的な芸術活動を主たる研究対象としている。異なる立場や背景をもつ人々がどのように協働することができるのか、研究/実践の双方からのアプローチを試みている。NPO法人多様性と境界に関する対話と表現の研究所代表理事。共著に『障がいのある人の創作活動』(あいり出版)、共編に『アートプロジェクト:芸術と共創する社会』(水曜社)など。2008年アカンサス音楽賞受賞。日本学術振興会特別研究員(DC1)、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科教育研究助手、東京家政大学非常勤講師、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所研究員を経て、2016年より現職。
川鍋達 (アーティスト、すさきまちかどギャラリー館長)
千葉県出身。美術を専門に学んだのち、ドイツに渡り、研鑽を重ねアーティストとして活動。国内外の展覧会に参加。帰国後、美術教員を経て地域おこし協力隊として須崎市に移住。経験を活かし、まちかどギャラリー運営のサポートに当たる。協力隊任期が終了後、引き続きまちかどギャラリー館長として企画・運営に従事。アートプロジェクト「現代地方譚 アーティスト・イン・レジデンス須崎」のディレクターを務める。
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